七夕
「今日なんの日か知ってます？」
カカシはイルカに後ろから抱きついた。
「なにって、七夕でしょ？」
夕食をすませた後、イルカは卓袱台の上に答案用紙を広げていた。
「仕事ができないじゃないですか」
もぅー
と言いたげな顔でまとわりつく上忍を払いのけようとした。
「年に一回しか逢えないなんて、俺はイヤだなぁ」
力の差か
階級の差か
びくりともしない背後の相手に、脱力感が襲う。
「それじゃぁ、真面目に遅刻しないで仕事してください。」
赤のボールペンを走らせながら。
「冷たいですーイルカせんせ」
イルカの顎を掴み、後ろにのけぞらせながら、カカシはイルカにキスをした。
「！」
「俺はやっぱり毎日あってコンナコトしたいです・」
「あんたはー」
困ったような
嬉しいような
そんな顔で俺をみせるあなた。
「なんですか？」
そう、聞いてくるあなた。
おれだって、あなたを抱きしめたいし、一緒にいたいですよ。ただ、恥ずかしいし、なんか、おれ、頼りないのバレバレで、あなたが心配するから、判ってるからー
甘えられないんじゃないですか。
甘えてくださいよ。あなたがいるから、俺は俺でいられるのに。あなたを失うくらいなら、里中の人間すべてを敵にしてしまってもいい。閉じこめてしまいたい。
「イルカさん」
「はい」
「好きですよ・」
「…ぉれもです」
思いがけない一言に、カカシはイルカを抱きしめ、キスを乞う。 |